モジュールシティ
鎮江生態ニューシティのマスタープランでは、すべての開発空間を徒歩圏の都市モジュールとした。都市モジュールには、住宅、オフィス、商業、娯楽、学校、医療などフルセットの「都市機能」を持たせると同時に、都市機能の濃淡によって、それぞれが空間としての個性を演出する。路面電車(LRT)を中心とした公共交通網、コージェネレーション(Cogeneration) を中心としたエネルギー網、ITネットワーク、産業ネットワーク、緑道ネットワーク、水系ネットワークなどの「都市ネットワーク」によって都市モジュールを束ね、「中型都市」を形成する。そのようにして出来上がった5つの中型都市を都市ネットワークで結び、それが「都市連合体」となって、100万人口のニューシティが形成される。
また、鎮江ニューシティは、新しい開発スタイルとして計画エリアの農地面積を基本的に維持し、農地や水面、緑といった生態空間を65%、開発空間は35%に抑える。さらに、農地と水面、緑を高度利用し、農産品の地産地消を進め、フードチェーンの短絡化と見える化を図る。水処理や生ごみ処理などもモジュールごとにバイオテクノロジーで行う。魅力のある生態空間は、都市に美しい景観を提供し、観光産業の育成にもつながる。
さらに、モジュールシティの取り組みにおいては、マスタープランに留まらず、デザインルールとKPIを定め、計画の実行性を高めるメカニズムを創りあげた。マスタープランとデザインルールをもって、規律ある開発を誘導し、乱開発や低開発を防ぐ。と同時に、それぞれの開発も、マスタープランとデザインルールを守った上で半自律的な進化を遂げる。これによって開発のエネルギーを吸収し、かつ、個性を保ちながら統一のとれた街並みや都市を作ることができる。
徒歩圏を中心とする立体都市と、緑あふれる生態環境を両輪に、モジュールシティの手法で、スマートシティ、エコシティ、コンパクトシティ、省エネ・創エネシティ、クリエイティブシティ、交通ストレスフリーシティなどの理想を、総括的に実現していく。モジュールシティの手法は都市化の途を爆走する中国そして世界に向けて、都市問題及び環境問題の解決策を提示する試みである。
モジュールシティ概要パンフレットをご覧いただけます。