<中国都市総合発展指標2018> 都市ランキング発表
ビックデータからみちびく中国の〈今と未来〉を映し出す画期的都市ランキング。国家単位では見えてこない中国の実像をを知りたい企業・経営者・ビジネスマン・研究者必携データブック。
GDP・人口・平均賃金・上場企業・国際会議・科学技術・高等教育・水資源・PM2.5指数・輸出/輸入・外資受入・交通利便性・観光客・ホテル・世界遺産・映画館数等、あらゆる視点から実像にせまる最新データ満載! オールカラー図版&グラフ多数掲載。
2017年版の「メインレポート」は、「中心都市指標」をもとに中国の主要都市と「東京大都市圏」を分析、「東京」の成功要因、メガシティの世紀におけるこれからの課題と可能性を考える。
第3章 中国都市ランキング|トップ10都市分析
第2部 メインレポートとレビュー
第5章 メインレポート|中心都市発展戦略 周牧之
1 メガシティ時代
2 東京大都市圏の経験
3 中心都市指数の意義と構造
4 中心都市指数総合ランキング
5 中国中心都市指数総合ランキングトップ20都市分析
第6章 専門家レビュー
巻末資料 指標項目詳細
中国の〈今と未来〉を見通す政府機関による画期的都市ランキング、日本初公開。北京、上海、深圳…爆発的成長をとげるメガシティはどこへ向かうのか?
「五カ年計画」を担う政府機関が共同で開発した評価指標による全295都市対象・133項目にもとづく初の公式中国都市発展ランキング。
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メインレポート「メガロポリス発展戦略」周牧之、オールカラー図版155点収録。中国で事業展開する企業・経営者・ビジネスマン・研究者必携のデータブックです。
発刊にあたって|周牧之
プロジェクトメンバー/謝辞
日本語版によせて 安斎隆|大西隆|武内和彦|楊偉民
第1部 〈中国都市総合発展指標〉と都市ランキング
1〈中国都市総合発展指標〉とは
2 中国都市ランキング・トップ20都市
総合ランキング|環境ランキング|社会ランキング|経済ランキング
3 中国都市ランキング・トップ10都市分析
4 図で見る中国都市パフォーマンス
第2部 メインレポートとレビュー
5 メインレポート|メガロポリス発展戦略 周牧之
6 専門家レビュー|横山禎徳/周其仁/張仲梁
巻末資料|指標項目詳細
【編者】
中国国家発展改革委員会発展計画司
中国の経済・社会政策全般の立案から指導までの責任を負う国務院(政府)の中核組織。政策立案および計画策定を担う。各産業の管理監督、公共事業の許認可にも強い権限を持つ。同委員会の主任は、国務院副総理や国務委員が兼任することも多い。発展改革司は、中国の「五カ年計画」の策定及び都市化政策を主管する同委員会の部署。
雲河都市研究院
日本と中国双方に拠点を置く、都市を専門とする国際シンクタンク。シンポジウムやセミナーの企画・開催を通して国際交流を推進、調査研究、都市計画および産業計画も手がける。
【編著者】
周牧之
1963年生まれ。東京経済大学教授/経済学博士。中国機械工業部(省)、(財)日本開発構想研究所研究員、(財)国際開発センター主任研究員、東京経済大学助教授を経て、2007年より現職。財務省財務総合政策研究所客員研究員、ハーバード大学客員研究員、マサチューセッツ工科大学(MIT)客員教授、中国科学院特任教授を歴任。(中国)対外経済貿易大学客員教授、(一財)日本環境衛生センター客員研究員を兼任。
徐林
1962年生まれ。中国城市和小城鎮改革発展センター主任/経済学修士/公共管理学修士。中国国家発展改革委員会財政金融司司長、同発展計画司司長を歴任。2017年より現職。中国「五カ年計画」の策定担当部門長を務め、地域発展計画と国家新型都市化計画、国家産業政策及び財政金融関連の重要改革法案の策定に参加、ならびに資本市場とくに債券市場の管理監督法案策定にも携わった。
中国国家発展改革委員会発展計画司と雲河都市研究院の共同編纂による「中国都市総合発展指標2017」がこのほど人民出版社から出版、同指標に基づく中国都市ランキングも北京で正式に公表された。
2017年版の中国都市ランキングを見ると、北京、上海、深圳が総合ランキングでトップ3を飾った。北京は「社会」、上海は「経済」、深圳は「環境」で全国第1位となり、この3大項目で各々連覇を果たした。
北京は「社会」大項目のうち、「生活品質」、「伝承・交流」、「社会ガバナンス」の3つの中項目でも、他市と圧倒的な大差をつけた。
上海は「経済」大項目のうち、「経済品質」と「都市影響」中項目、及び「環境」大項目の「空間構造」中項目でトップに立った。深圳は「環境」大項目で堂々首位に入り、「経済」大項目で第3位、「社会」大項目で第7位につけた。
広州と天津は前年同様、第4位と第5位にランクインした。両都市は「経済」と「社会」で各々強みを示したが、天津は「環境」が不振で広州に敗北を喫した。
総合ランキング第6位〜第10位は、重慶、杭州、蘇州、南京、成都の順となった。重慶は前年の第8位から第6位に浮上し、成都は武漢を抜いてトップ10入りを果たした。武漢は11位だった。
「中国都市総合発展指標」は、周牧之東京経済大学教授、陳亜軍中国国家発展改革委員会発展計画司司長、徐林中国城市小城発展中心主任を中心に編纂された。楊偉民中国中央財経領導小組弁公室副主任を首席専門家に、周其仁北京大学教授、胡存智中国国土資源部(省)元副部長、大西隆日本学術会議元会長、武内和彦中央環境審議会会長ら国内外一流の有識者からなる強力なチームが研究開発に携わった。
同指標は297にものぼる中国の地級市以上すべて都市を対象に、「環境」「社会」「経済」の3大項目を軸とし、都市の持続可能な発展度合いを立体的に評価・分析した。具体的に、3大項目の下には、「自然生態」「環境品質」「空間構造」「生活品質」「伝承・交流」「社会ガバナンス」「経済品質」「発展活力」「都市影響」の9つの中項目を置き、さらに27の小項目を置いた「3×3×3」のピラミッド構造で、複雑な都市の発展状況を解りやすく可視化し、分析した。 定量化した都市評価システムにより、中国の都市化に「デジタル化された規範」を提示したことで、中国で初めて権威性、総合性、応用性を兼ね備えた都市総合発展評価指標となった。各政府部門、研究機関、企業、そして中国の都市発展状況を理解したいと願うすべての人々にとって、重要な参考資料となるだろう。
中国都市総合発展指標2017によると、総合ランキングのトップ30都市は、全国の人口集中地区(DID)人口の40.6%を有し、中国GDPの40%を創出し、上場企業の67.2%を集め、さらに全国貨物輸出の68.7%と、全国の貨物輸入の80.7%を担っている。
本指標の開発をまとめた周牧之教授は、記者に対して「都市化はすでに大都市化、メガロポリス化の段階に入っている。大都市化の本質は世界的な中心都市の大競争である。都市の中心的機能を強化し、世界から人・資金・モノを集めるための魅力と受け入れ能力を高めることが肝要になる。1980−2015年の35年間で、人口が250万人以上増加した都市は世界で92都市もあり、その中の30都市が中国にある」と話している。
周教授はさらに「世界が大都市化に進むタイミングが、ちょうど中国の改革開放と合致した。中国の急速な都市化は世界の潮流と共鳴し、世界のパラダイムシフトと密接に関連している」とし、 「中国都市総合発展指標のもう一つの特徴は、毎年メインレポートを発表することである。2016年版は「メガロポリス発展戦略」に焦点を絞っていたが、2017年版は「中心都市発展戦略」をテーマにした。都市の中心的機能を評価することで、中心都市の育成を促進している。世界の大都市化をめぐる大競争への中国都市の積極参入を促している」と力説している。
中国には都市化の急発展によって無視できない問題がたくさん蓄積されている。出稼ぎ労働者の市民権取得をめぐる問題や、都市空間のスプロール化などの課題である。本書のもうひとりの主編である徐林中国城市小城発展中心主任はインタビューに応じ、「中国都市総合発展指標による評価は、中国の都市化及び都市発展の課題を明らかにし、都市発展の質を高めるため、様々な制度・政策措置を講じる必要性をも示した。これには農村部からの移住者の市民化の加速、都市ガバナンスの改善、都市インフラの新たな融資メカニズムなどが含まれる」と述べた。
「中国都市総合発展指標2017」の刊行は中国で大きな反響を呼んでいる。