2016年1月18日、東京・千代田区の科学技術振興機構(JST)東京本部別館1Fホールでの中国総合研究交流センター(CRCC)主催第91回研究会で、中国の都市化の現状と問題点などを紹介した。
2016年1月18日、東京・千代田区の科学技術振興機構(JST)東京本部別館1Fホールでの中国総合研究交流センター(CRCC)主催第91回研究会で、中国の都市化の現状と問題点などを紹介した。
主催:中国鎮江市政府
時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
20世紀は都市化の世紀でした。地球上の都市人口は100年間で2億5000万人から10倍以上の28億人にまで膨れ上がりました。21世紀はこの都市化のスピードがさらに加速します。世界の都市人口は2008年に初めて農村人口を超え過半数となりました。国連の予測では2050年に世界人口は90億人に、都市人口は60億人に達します。地球はまさに正真正銘の「都市惑星」になろうとしています。
もっとも従来の都市発展は生物排除型、生態破壊型、自動車依存型、エネルギー多消費型の傾向を持ち、温暖化、大気汚染、生態破壊、過密過疎など地球レベルでさまざまな問題を引き起こしています。
中国はいま経済成長の道を爆進しています。発展の原動力の一つが都市化です。中国の都市化はその規模やスケールの大きさにおいて、21世紀の世界の都市化を牽引しています。億単位の人口が農村から都市に押し寄せ、既存都市の拡張とニューシティ建設の動きが全国規模で進んでいます。
しかし中国のこれまでの都市化は渋滞、公害、生態破壊といった深刻な問題を数多く抱えてきました。発足間もない中国新政権は「生態文明建設」への取り組みを最重要課題の一つとして掲げ、都市問題と環境問題に対処しようとしています。中国共産党第18回党大会は、中国の特色ある社会主義事業を経済建設、政治建設、文化建設、社会建設の「四位一体」から、それに生態文明建設を加え「五位一体」に拡張し、生態文明建設を経済、政治、文化、社会建設の各領域とすべてのプロセスに浸透させ、自然を尊重し保護する理念を提示しました。
また、中国の環境政策の基礎をなす環境保護法においても、生態文明建設の理念を盛り込む方向で、改正が検討されています。
習近平国家主席は2013年3月8日に全国人民代表大会の江蘇省代表団の審議に参加した際、都市化を推進するにあたりクオリティを重視すべきである旨強調しました。
こうしたなか日中の政府間で、生態文明社会を具体化する新たな都市発展モデルと日中協力メカニズムを形成する議論が始まっています。その協力メカニズムは日中産学官の力を結集し、都市化と環境問題という二つの大きな課題の解決に挑むものです。 江蘇省鎮江市の生態ニューシティプロジェクトは、中国の生態文明モデル都市造りの先駆けとして内外から高い関心を集めています。長江のほとりに位置する江蘇省鎮江市に220平方㎞のエリアで100万人規模のニューシティを建設する計画です。
同プロジェクトは都市化の途を爆走する中国そして世界に向けて、都市問題及び環境問題の解決策を提示する試みであり、生態文明社会の建設を目指した日中協力メカニズムのモデルとなりうるものです。
中国国家発展和改革委員会は4月25日、中国国務院の同意を得て『蘇南現代化建設示範区(モデル地区)計画』を批准し、鎮江生態ニューシティを「生態文明先行区」として明確に位置づけました。
鎮江生態ニューシティの産業政策の目玉は、医療産業の創出です。中国の医療需要は急拡大しているものの医療環境は未だ整備途上にあり、サービスの質の向上が急がれています。そうしたニーズを満たすため、鎮江生態ニューシティでは、世界最高レベルの医療クラスターの建設を計画しています。鎮江生態ニューシティの医療クラスター計画は、日本の医療産業の中国進出に大きなビジネスチャンスを創出するものです。
東京都文京区は日本最先端の医療機関の集積地であり、加えて医療関連教育機関、出版社、医薬メーカーなど様々な医療関連産業が集中するいわば日本医療の中心地域です。この度のセミナーでは、講演、パネルディスカッションを通して、都市づくりにおける医療クラスターの意義と展望を様々な視点から探求いたします。
ご多忙の中とは存じますが貴社代表、担当責任者の皆様には同セミナー並びにレセプションに是非ともご来場いただきますよう謹んでご案内申し上げます。
シンポジウムは終了しました。 多数のご参加ありがとうございました。
※ 総合司会 宇田川燿平(雲河ジャパン代表取締役社長)